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「市中引き回し」発言について、刑法理論から

鴻池祥肇氏がJCの先輩であるから申すわけでありません。
刑事未成年(刑法41条)である長崎で人を殺した少年は、「無罪」なのです。
正確には、法に守られ、刑事付加罰となります。
被害者あるいは被害者の家族の受ける仕打ちと比較して、
加害者本人や加害者の親の受ける仕打ちがあまりにバランスがとれていないのではないかと思いませんか?

そもそも、刑罰(刑法理論の中で)をどう捉えれば、犯罪を抑止できるのでしょう。
古くは、刑法でもって処罰(国による人権の制限、例えば死刑は生存権の制限です)をするという制度が有れば、
処罰をされるのが嫌であるから「反対動機」が心の中に発生して、
「実行を踏みとどまるはず」である、だから犯罪は減るであろうと考えられていました。

ところが、刑法で如何に刑罰を科しても、繰り返し罪を犯す人間はいますし、
特に貧しい人たちは
「自分が生きるために人のものを盗んで、それを食べて生きる」
ということを続けてしまう現実がありました。
彼に、どんなに盗むことが悪いことであると刑罰を科すことで伝えても解らないというか、
生きていくために必要なこととして罪を犯してしまう現実に突き当たったのです。
そこで、人間は有る意味で自由な意思決定にもとづいて犯罪をするかしないかを決めると考えていたのが、
そうではなくて、環境だとか彼が受けてきた教育だとか、
さらに言えば遺伝的素質だとかといった様々な物が複合して、
人は罪を犯すかどうかを決めているのであって、
唯一彼の意思によって決めているわけではないのではないか、
そういう考え方が広まってきたわけです。

貧しくて窃盗をする人を処罰してみても、
彼の意思が悪いわけではないのだから、彼の窃盗行為だけを客観的に処罰しても、
解らないわけですから、
彼自身が罪を犯さない人間になるように、
国が手をさしのべてやろうという考え方に至ったというのです。
つまり、国が公権的に介入(福祉国家の理念)して、
罪を犯さないように教育をしようと言う考え方が生まれてきたのです。(目的刑論・社会防衛論)

確かに、一般に認められている刑法の謙抑性、
すなわち刑法は国民に対する人権侵害の度合いが最も強度であるから、
処罰は必要不可欠の場合にのみ認めるべきであるとされることは理解いたします。
また、一定の年齢に達していないことでもって無罪(刑法で処罰しないと決定される)とされることが、
未成年者には、
自分のやっていることが良いか悪いか判る能力
(刑法の維持しようとする社会倫理規範を理解する能力/是非弁別能力)、
そして、悪いと判った上で悪いことをしないように自分の行動を抑えることの出来る能力
(是非弁別に基づいて自己の行動を制御することの出来る能力/行動制御能力
が欠けている場合が多いからで、
(未成年であることをもって)
行為当時の行為者の人格態度が非難を与えことは無理があるのではないか、
「大目に見てやればいいのではないか」として、
だから非難は止めようと考えることによるものであることも理解できます。

しかしながら、そのような経済的困窮だとか、
怨恨とかといった“ある意味”で理解し易い動機がないのに、
衝動的にあるいは愉快犯的に罪を犯してしまう事犯が多い近年の日本の常態を見て、
そんな加害者に福祉国家の観点からの保護が同じように必要なのだろうかと思ってしまいます。

「法律なければ犯罪無し、刑罰無し」(罪刑法定主義)の原則は厳格に守られるべきであります。
しかし、罪刑法定主義の中には
「行為者を守る(法律に規定されていること以外は自由に為しうるとか、
 遡及処罰は出来ないとかいう自由主義的側面)」と伴に、
「国民が処罰すべきと考えたことを犯罪として規定する」という民主主義的側面もあるのです。

冒頭の「市中引き回し」発言の真意はその辺りにもあると思います。

「市中引き回しの上打ち首」という刑罰は、予め法定されていないわけですから、
(法律が出来る前の行為を、その法で)遡って処罰することは出来ません。
しかし、加害者の親は顔をさらして、反省と弔意を表するべきであります。
それさえもできない親は、公権力が強制して人権制限できる。
そういうバランスが刑法の中に求められると思います。
今のままでは、あまりにアンバランスであると感じています。

そういう趣旨からの発言であると解釈した次第・・・。

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Author:motosuke.net
神戸の震災の支援に行き身体の動かない自分に気づきました。
それからジョギングやスイミングを始め、14㎏の減量。
一応、トライアスリートです。冬場は、駅伝も走ります。
JC時代から、地域づくりに関わり、公開討論会を開くなどしました。そんな私が、2009年夏、公開討論会の当事者になってしまいました。
その後、0からのスタートとして、市議会議員に当選して活動を続けています。

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