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長野県の知事と県議会の関係

 日本で県知事は、内閣総理大臣よりも大統領に近い存在であります。
ある県(笑)では天皇と揶揄された時代もあります。
その知事のとても強い権力の基には、議院内閣制の基に選ばれる総理大臣と違って
住民の直接選挙で選出されることがあります。
一方、県議会議員も選挙区で選出されたという根拠でもって職務・権限が法によって定められ、
長野ではその権利行使の一つとして「知事に対する不信任決議」を行ったというある意味で
健全な立憲主義が発露した場面なのです。
議会による知事・首長の不信任決議の先例という事など無関係に、
正当な権利行使なのです。
どうも、マスコミは往々にしてどちらかを悪者にしたいみたく報道をするところがあるのですが、
法に基づく権利行使という意味(知事が解散権を行使しても)で、
どちらが良い悪いではなく、
法によって認められた権利を持つ者がその権利を行使するに際して、
必要な要件を満たせば、
「自由主義社会を実現するために認められた民主的手段を採った」として
尊重されなければならないわけです。
そういう意味では、
田中知事が繰り返す「県議会の意思を厳粛に受け止める」という主張は的を得ているものなのです。
彼は、マスコミの利用術に長けているので、
露出によって得ているところの支持率をディスカウントして考えるべきであるという評価もあります。

しかし、その理屈を突き詰めると、
自由主義社会そしてそれを実現するための手段である多数決
(物事を決定するに際してもっとも民主的だとされている手段という意味で、
 多数意見が正しいという意味では一切ありません)
そのものを否定することに繋がりかねません。
適法な許される手段であれば、様々なテクニック・場面を利用して自らの考えを発信できることが、
自由主義社会実現のために保障されるべき権利だからです。
そして、自由な情報発信やそれに基づく議論がない多数決主義的民主主義に陥ってしまえば、
民主主義実現の名のもとに自由は踏みにじられ、
過去の過ちを再び犯してしまう可能性が出て参ります。
特に、自らの政策理念を実現するために社会的ポジションを得ようとする者
(選挙に立候補する予定者)であったり、その立場にある者(現職の者)は、
ルール(公職選挙法等)内であれば平等に権利が認められています。
その主張がマスコミに取り上げられるかどうかは、
主張に対する支持の高さ(単に表向きのものを含めて)であったり、
アッピールのし方であるでしょう、これは仕方がないことです。

選挙期間中など法で定められた期間以外にまでマスコミ露出を各候補者間
あるいは同じ立場にある議員・議員候補間、
あるいは対立する政策を主張する複数の政策集団を平等に報じることは無理なことで
そこに、平等を求めるのは全くナンセンスなことであります。


たとえば、現職は露出度が高く、日々の仕事がすなわち選挙活動になっているわけですが、
対抗する候補者の露出は格段にチャンスも少ないわけです。
また、県に1人の知事と県で数十人の議員では、自ずと扱いには違いが出てくるのです。
逆に言うと、数十人の3/4が不信任決議に賛成して、その正義を県内に主張して回る
ことも出来るわけで、そういう意味では、理があれば民意は自らのものに出来るのです。
だから、田中知事がマスコミを利用して支持率を高く維持しているからディスカウント
するという主張はおかしな話なのです。

もっとも、多数意見が常に正しいかというと、
それは歴史が「ノー」という結論を示してくれていますから、
支持率の高さやその意見が多数意見であることだけでもって正誤を判断することは
出来ないのです。
先に述べたように、情報が公開され・自由な議論がありその上で多数決
(投票の仕方など細かい点はおいて)が行われたとすれば、
現段階でそれ以上に正しい結論は導けないのではないかと判断しても良いとしなければならない、
そういうことなのです。
常に人は誤りを犯すという意識でもって少数意見に耳を傾ける限り、
間違いを犯す可能性は低く押さえることが出来るということなのです。

そういう意味では、「不信任決議」は最後通牒でありまして、
長野の問題は、言語道断の名刺折り曲げ事件に見たような感情的な部分に根があるように
私は考えたりしてしまいます。
しかし、その感情的な価値判断が一部にあったとしても、法律に則った手続きを踏んだ以上
「愚」とは言えても、その効果に対して「No」とは言えないのです。
それだけ議会の意思表示は重いわけです。
知事は議会を解散するかあるいは自らが失職するという判断をするわけですが、
いずれにしても改めて選挙の場で民意を問える機会が与えられたのです。
民意がどうあれば良いかと言うことは申しませんが、
すべての有権者の皆さんが今に興味を向け明日を考える機会を大切にしていただく
ことを願っています。

 クリスタル世代という言葉を産んだ田中知事ですが、
政治に携わろうとする者は住民の多くの意思を集めて輝くクリスタルのような存在で
あって欲しいと思います。
ブランドを身にまとうことなどでしか自らを輝かせることが出来ないと揶揄された
世代ですが、
これを民の意思(光)を実現する(集めて光る)クリスタルであると考えると
政治に携わる者のあるべき姿が見えてくるように思います。

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神戸の震災の支援に行き身体の動かない自分に気づきました。
それからジョギングやスイミングを始め、14㎏の減量。
一応、トライアスリートです。冬場は、駅伝も走ります。
JC時代から、地域づくりに関わり、公開討論会を開くなどしました。そんな私が、2009年夏、公開討論会の当事者になってしまいました。
その後、0からのスタートとして、市議会議員に当選して活動を続けています。

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