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病腎移植についての説明文 Ver.3_2

賢明なる国会議員の皆様へ

表題の件につきまして、お力を貸していただきたく、お便りしたためました。

私は、健常者であり、幸いにして家族にも腎臓が悪い者はおらず、
透析を受けなければならない者もおりません。
たまたま、万波医師が医療活動を続けてきた宇和島にUターンして仕事をしていた関係で、
今回の病腎移植に対する 一部のマスコミの扱いが偏っているものと感じていたところに、
友人の誘いがあり「移植への理解を求める会」の設立総会に参加しました。
そこで、青年会議所で会議の運営などを学んでいたり、記者会見などの経験もあったことから、
同会の幹事の1人に加わったという者です。

さて、4月24日、厚生労働省は、「臓器移植法運用指針の改定案」を公表し、
同案によると、病気腎移植への対応について
「疾患の治療上の必要から腎臓が摘出された場合で、
 摘出された腎臓を移植に用いるいわゆる病気腎移植は、
 現時点では医学的に妥当性がないとされている。
 従って病気腎移植は、医学・医療の専門家が一般的に受け入れられた科学的原則に従い、
 有効性と安全性が予測される時の臨床研究として行う以外は、これを行ってはならない」
とされています。

ところが、アメリカの学会では、不足する臓器をいかにして調達するかに懸命に取り組み、
何よりもドナーを増やすことを第一に、国を挙げて、使える臓器はすべて使うという徹底した
運動を進めています。
それだけに、
宇和島徳洲会病院の万波医師とそのグループの医師が進めてきた病気腎移植についても、
強い関心を寄せています。
さらに、専門家の医学的考察によっても、
その有効性と安全性が次第に明らかなってきたことから、腎移植について、
病腎の利用は、ドナー不足解消の切り札になるのではないかと言われています。
直面する患者を救う緊急手段的に始まった病腎移植でありますが、
すばらしい治験を提供したと絶賛する声も聞かれます。

そこで、皆様方に、現在、病腎移植について、あるいは万波医師らが行った摘出から
移植までの医療行為についての批判とそれに対する反論を簡単にまとめたものをお届けした次第です。

ご興味がございましたら、ご一報下さいませ。より詳しい資料をお届けするなどして、
政策立案の一助としていただければと思っております。



この病腎移植の問題は、現在の医療行政にあるゆがみを解決するための突破口になりはしないか
とまで思っております。どうぞ、ご一読下さいませ。



昨年の11月から移植への理解を求める会の幹事として、
実際に病腎の移植を受けた患者さんらと接した著者が、
病腎移植の医療として評価する医師・研究者の支援を受けた同会の反論を、
医療について特別な知識がない方にも判りやすいようにまとめたいという思いで、
雑ぱくではございますが、作成をしてみました。


1.腎臓は足りない!

日本臓器ネットワークによると、
同ネットワークに登録(登録料が必要ですので、誰もが登録しているわけではない)している
腎移植の希望患者は約1万1500人であるのに対し、同ネットを通じて実施される腎移植
(死亡者からの献腎)は160例にすぎない。(2005年の実績)

そこで、親族から(親や兄弟や子供や従兄弟にもらうといった)の生体腎移植
(万波医師も当然取り組んでいます)で、透析から逃れ、
社会復帰(劇的に生活の質が上がると言います)を果たそうとするわけです。
(2005年実績、834例)

しかしながら、生着率(移植した腎臓が機能し続ける率)が低かった頃
(他人の腎臓を異物と考えて体が拒否をしないようにする薬=免疫抑制剤、
 が日に日に進歩していますので生着率は上がっています。)
の移植では、早晩、親族(家族)を使い切ってしまうことになることもありました。
親が若い場合でも、また、子供や兄弟などが提供してくれるとしても、
何人から腎臓が頂けるのかという基本的問題は解決しません。

健康な体にメスを入れ、二つあるとはいえ腎臓を一つ採るのでありますから、
腎移植を求める夫婦間に離婚が発生したり、
親戚関係が断絶することがあることは容易に想像できるでしょうし、
実際に現場でそんな場面を見ることも多いと言います。

そこで、お金持ちの日本人は、中国やフィリピンなど海外て臓器を購入して移植を受ける
という市場が発生しました。

お金がない人は、『10年で6割が亡くなってしまうという』透析で不自由な暮らしを続けて
死を迎えるか、『100人に一人をちょっと超える』強運に恵まれ日本臓器ネットワークの順番
が来るのを待つかという選択肢しか残らないこととなります。

こういった現実が
「万波医師らのグループの病気で摘出されて捨てられる腎臓の利用(いわゆる病腎移植)」
を生んだのではないでしょうか。

昨年の腎移植希望登録者は11500人。昨年の腎移植者は994例(死亡者からの献腎160例、生体移植834例)。
日本の透析患者数26万人中、0.4%の人しか腎移植が受けられない現状だ。
移植希望者の待機期間は、主として身内から頂く生体移植でも4年、死体腎(心臓死+脳死)では16年待ちという(産経新聞、11月9日)。




2.透析は苦しい!

①透析は安泰の医療か
透析をしている患者さんの原因となる病気の第1位は糖尿病です。
その方々(糖尿病腎症の透析患者)が、10年間生きている確率は(生存率)は29%
というデータがあります。ということは、上記1の待機期間と合わせて考えると、
多くの糖尿病腎症の人にとっては、死体腎が回ってくるまで透析で命を保てる可能性は限りなく低く、
その現実に患者さんは絶望し、腎移植希望の登録さえしない人が多いといいます。

糖尿病以外の病気で透析が必要になった人を含めた場合の生存率はどうかというと、
10年で約40%の方が存命である一方、移植をした場合は、約80%の方が生きることができると言います。
(日本透析医学会のホームページ・日本移植ファクトブックを参考にしました。)
透析は、移植と比べても安泰の医療とは言えません。

②日本の透析は世界最高水準と言うけれど
透析をずっと続ける患者と腎移植をした方との生活は大きな違いが出てきます。
透析している間(血液透析なら1週間=168時間のうち12時間)だけ働く人工腎臓は、
24時間休むことなく活動する移植腎には遠く及ばないことは想像はたやすいでしょう。
体中にさまざまな影響が出てきます。

また、週に12時間程度とはいえ、
病院の診療時間中(世の中の多くの仕事が動いている時間)の12時間、
週40時間のうちの12時間と考えると、就業状況も芳しくないことも当然です。

透析患者の皆さんの声(透析病院にお世話になっていると、あまり大きな声で移植について語れないと言いますが)に、耳を貸すべきです。

③費用について-透析はお金がかかる-
確かに、今頃は、透析も腎移植も健康保険によってカバーされています。
しかし、実際の医療に支払われる金額は、
透析の場合 月額40~50万円=年間約500~600万円、
移植者の場合 月額15万円=年額約200万円弱(費用の多くが薬代(主流は免疫抑制剤))
(主流の免疫抑制剤も発売後期間がたっており、
  後発品がでれば薬価は下がり、さらなるコストの削減が期待できる。)
と大きな差があります。
また、透析の場合、透析を続ける限り、
つまり移植を受けるか死んでしまうまで医療費がかかり続けるのに対して、
移植者の場合、腎臓が動いていれば医療費はだんだんとかからなくなるという点も
ご承知いただきたいと思います。

現在、日本には透析を受ける患者は、約26万人と言いますから、
それにかかる医療費は年間1兆2~3千億円となります。
しかもこの数は、毎年1万人ずつ増えている(細かく申し上げると、3万人患者さんが増え、
2万人亡くなられている)のです。
もし、この人々がすべて腎移植を受けたとすると、
手術料(100~150万円で、透析に換算するとたったの3ヶ月分である。)が一時的に
かかるにしても、その後の治療費は、年間4千億円(約1/3と考えて)となり、
その差額分その他の医療サービス拡充に使うことが出来るのです。
患者さん自身の生活コスト・医療保険コストのどちらの面からからみても、
(腎移植は経済性という尺度でも)無視できないテーマです。

また、透析を受けている間、患者さんは、障害者年金の給付を受けられるのですが、
移植を受けると年金を給付されないとされております(善し悪しは別として)。
実際に移植を受けた後も医療費がかかり、仕事に就きにくい現実があることを考えれば、
何らかの経過措置が費用なのかもしれませんが、
現行の制度の上では、透析を受ける患者と移植を受けた患者の生活の質の差を客観的に
評価しているものなのかもしれません。

3.万波グループは、摘出の必要のない腎臓を摘出したのか?

①使える腎臓なら、本人に戻すべきという批判に対して
例えば、あなたは、ガンにかかった腎臓をガンを取った後元に戻すことを希望しますか?
腎臓は二つある臓器で片方が機能していれば、健康に暮らせるものなのです。
そうです、あなたが考えるように多くの患者さんは、ガンが小さくても腎臓の全摘出を希望されます。

次に、摘出した腎臓の悪い部分を切り取るなどして「元に戻す手術」が簡単なものでないことを理解していただきたいと思います。これは、
自家腎移植(自分の腎臓を戻す)という手術なのですが、
腎臓を一度外に出して治療して『別の場所に移植する』という方法
(腎臓に治療を与えている間に、その腎臓につながっていた血管が萎縮するなどして、
 元の位置には返せない)になるのが一般的で、お腹を二カ所切ることになります。
そうすると手術時間は、七・八時間に及びます。
高齢であったり、その他の病気(心臓など悪ければ耐えられないでしょう)などあれば、
当然体力的に持たないし、そうでなくともその手術の説明を受けた患者さん自らが、
その危険性を避けようとするのは当然のことではないでょうか。
また、実際に自家腎移植を日々こなしていけるだけの技量を持つ医師はそれほど多くないようです。
(一部の大学病院など、都市部の大病院が手がけることが多く、ほとんど戻さない医療機関もあるようです)

その上、戻すのが難しいものを「原則どおりに戻す」ことを優先させるとしたら、
かえって患者を死亡させてしまう危険性が高いという場合もあるということです。
そんな場合には、『戻すことを優先させるのか』、『患者の命を優先させるか』、
当たり前の結論が見えてきます。

②ネフローゼの腎臓の摘出について
ネフローゼで、大量の蛋白尿が出て、どんな内科的治療も有効でないと言う場合
(今回問題になっている患者さんに対しては、治療に当たっていた腎臓内科医から腎臓摘出
 以外に治療法なしと診断が下されています)、摘出が検討されます。
いかなる治療でもコントロールできない大量の蛋白尿がある場合、
両方の腎臓をとってしまう手術は選択肢の一つであって、
最近の教科書には書いてある治療法とのことです。
ネフローゼの治療が内科的になされることは基本であります。
しかし、それらをすべて試した結果、ネフローゼが改善しない症例もあります。
その方達の中には、肺水腫から心不全になり亡くなられる方もおられます。
多くのネフローゼ患者を見たことのなる臨床医ならば、一人か二人、
そのような経過で命を失った症例を持っていることでしょう。
(市立宇和島病院の元院長の近藤医師もその一人です)。
そして、そういった内科的治療に抗するネフローゼ症候群に、最後の手段として残されているのが、
腎臓機能の廃絶(外科的腎臓摘出術、もしくは腎臓動脈塞栓術による内科的腎臓機能廃絶術)です。

③小さな癌なのに摘出したのか?
 ①でも述べたのですが、早期発見された腎癌の場合、部分切除(癌の部分だけトル)して
残った腎臓に再発する頻度はきわめて低く、
直径2.5cm以下なら再発0%、2.5cm以上でも腎臓の外に出ていなければ再発2%と報告されています。
早期腎癌の方は、「癌の出来ている腎臓を全部とってしまうか」と
 「癌の部分とそのまわりをとって腎臓そのものは残すか」という説明を受け、
その選択をすることとなります。

患者さんは、
「片方の腎臓を全部とって腎不全になったり、透析が必要になったりしないか?」という不安。
そして、
「癌があった腎臓を残した場合に癌が再発しないのか?」の不安を持ちます。
反対側の腎臓が正常に働いている場合には、腎不全になって、
透析が必要ということにはならないと言うこと、再発の可能性はきわめて低いが、
全くないとは言え無いと言うことが説明されます。
すると、1~3割(施設によって差はありますが、40%未満の数字のようです。)の方が
「悪いほうの腎臓をとっても問題ないのなら全部取って下さい」と言う治療を選択するそうです。
そう言う患者さんの腎臓を移植に使ったわけで、ドナーとなった患者さんから、
クレームの声が上がっていないのは、説明と同意が充分あったと言うことに他ならないと言えます。
患者さんが、自己の責任でもって、自分の治療方法を選択したと言うことでしかありません。

すなわち、多くの現場で患者と直接対話する医師は、
癌の場合の『標準的』手術では腎全摘術が主流だと考えられています。
「部分切除が標準的な医療だ」という日本移植学会側の方は、なにをもって「標準的な医療」
とされているか疑問であります。

4.移植を前提とした摘出方法を採り、ドナーに負担をかけたという問題

「癌の標準術式である、最初に「まず血管を縛る」方法を採っていないので、
最初に移植ありきの手術のやり方であり、認められない」と問題視されていますが、
「まず血管を縛る」というのは、40年近く前の1969年にRobson先生らによって確立された
「腎臓を摘出する術」の要点の一つです。しかしそれは、現在では必ずしも重視されていません。
現在の医療現場では、血液が流れているままの手術方法が頻繁に採られ、
特に、早期の腎臓癌の治療として最近盛んに実施されている腎の部分切除術では、
そういった手法が多くの場合採られているのです。
批判する側(日本移植学会の幹部)は、世界的には古い医学的常識によって批判をされているようです。

5.使うべきでない腎臓を患者に移植したのか?

①ガンの腎臓の利用について
摘出した腎臓は、(径4cm以下の)癌以外はほとんどが正常部分です。
癌に冒された腎臓とはいえ、癌の部分はほんの数%にしか過ぎません。
機能は全く正常なのです。
しかも前述のように癌を取り除けば、腎臓に癌が再発する可能性はきわめて低いのです。
外国でもガンの移植は絶対だめだという意見は強いのですが、しかし、
本当に駄目なのかという点は、専門家なら、極めて強い興味を持つテーマであります。
ですから、米国の移植学会が、万波先生の医療行為について学会発表を許可し、
患者を救う医療発展に利用しようと考えたのです。
しかしながら、日本の学会のある責任ある立場の人からの
「刑事事件として司法の手にあるような表現にも読める内容を含む」書簡による抗議によって、
学会発表は中止となりました。
症例数は少ないのですが4cm以下の小さい腎ガンの移植例は、
論文発表もすでになされています。
この論文では、14例の腎ガン腎が移植に利用され(瀬戸内グループと同様、ガン部分は取除いてから移植)、
中央値5.8年 (最長17年)経過して1例もガンの再発がないという結果が報告されています。
数は少ないが、タチが良く(低異型度)小さい腎ガンであれば、
ガン再発の可能性は限りなく低いと言えるようです。
ドナーとレシピエント(臓器をもらう人)の同意があれば認められてもよいのではないかというのが、
昨今の世界の先進医療の理解の方向であるようです。

②B型肝炎のドナーから摘出した腎臓の利用について
市立宇和島の肝臓専門の内科医が診断した結果、殆ど感染の可能性はないとされております。
それを受けて万波医師が2人の患者に移植しています。
現在、市立宇和島病院の市川院長も血清学的にはHBE抗原(-)、
HBE抗体(+)で、殆ど感染の可能性が少ない状態であった事を厚労省に報告する予定と言われています。
また
当時、万波医師の下で移植していた愛大泌尿器科の3名の医師も同意見であった事を証言しています。
言うまでもなく、HB抗原というのは、ウイルスそのものではありません。
検出されればB型肝炎ウイルスに感染していることが診断され、
抗体が見つかれば抗原に対する免疫が出来ている状態と言うこととなります。

③梅毒の患者さんから摘出した腎臓の利用について

血を採って調べた結果(血清学的にはRPR法で2倍)、
全く治癒している状態のドナーであったとのことです。
それを移植が適切でない腎臓であったということを印象づけるために、
十分な医学知識のない記者にリークしたというのが実際のところではないでしょうか?
記者が誤解するだろうことを承知の上で発信された情報であるとさえ思えます。
過去に梅毒の感染の痕跡があったに過ぎないということを、
あたかも梅毒患者の腎臓を移植したの如く情報を制御して発信することには、
悪意さえ感じます。
また、個人の性病に関するプライバシーに関わるものをリークすることも許せません。

④健康な人から腎臓を摘出することについて

親族間にのみ許されている生体腎移植について、いい結果が得られなければ、
せっかくの厚意も無駄になると考えると、医師として、かなりのプレッシャーになると思われます。
一方、病気の腎臓を摘出すること自体は治療行為であります。
そして、(結果的にドナーとなる)患者さんにも不利益を与えることはないわけです。
そう言う意味でも、摘出後廃棄される運命にある腎臓を再利用することは、
進められるべきことかと思います。

6.病気の腎臓を移植された患者は、死んでしまったのか?

①3月に発表されたデータですが、病気の腎臓を移植して、
10年の生着率は、25.3%と言うことでした。
つまり、4人に1人は、10年も透析をしなくていいのです。
健康な腎臓を移植してもその腎臓が一生動いてくれるとは限りません(10年もつ腎臓が、約7割)。
しかし、移植によって透析から逃れた患者さんは、その腎臓が運悪くだめに無なった時に、
またもう一度移植を望みます。そこでも、誰も、病気の腎臓を希望しているのではありません。
移植も2度目・3度目となると生体から腎臓を受けるドナー対象者(親戚)が居なくなるのです。
一度目は親から、二度目は兄弟か妻となったとします。
ここまで運良く移植できたとしても、残念ながら、また透析に戻る人がいます。
そうするともう腎臓をいただけるドナーはいない場合が出てきます。そういう方は、
病気の腎臓でも移植をお願いできないという状態になると考えられませんか。
そうして、何度も移植が駄目になった方が受けられたのが、多くの病腎移植でした。
そして、病気腎の生着率10年で25.3%
生体腎で69.6% と言います。
考えると、そのぐらいの差があっても当然のことではないのでしょうか?
先に述べたように、多くの場合、以前に健康な腎臓を移植されたも関わらず、
不適合等でそれを失ってしまった方への移植なのです。
そして、前の移植で健康な生活を数年経て、再び移植を受けた時の年齢が、
高いものとなっているのです。

広大の難波名誉教授によると、
このデータのもとになっている患者さんが腎移植を受けたときの平均年齢は、
生体腎が38歳、死体腎が46歳、病腎は50歳であるとのことでした。
こんなサンプルを並列的に比較してどうするというのかという疑問を呈せられております。

②4月16日付の産経新聞が、①の数字が作為的に作られたように思える数字であることを指摘しました。

移植学会は、病腎移植が行われた3つの病院のうち、
成績の悪い(サンプリングの時期が数年前で止まってしまっている)
宇和島市立病院の症例(25例)のみで統計を取っています。
一方、徳州会側は、病腎移植が行われた3つの病院すべてのデータ(42例)を解析しているであります。

その結果、
3年生存率を学会は86.5%、徳洲会は92.2%、
5年生着率を学会は35.4%、徳洲会は67.9%とする結果の差が生まれている。(産経新聞 4月16日)


また、生着率を計算する方法(統計的な)が違うようです。
学会側が「個別例の解釈によって結果は多少異なる」とするのに対して、
徳州会側は、医学統計専門の民間会社に解析を依頼し、生体腎・死体腎の統計と同じ計算方式を採ったはず」

としています。(産経新聞 4月16日)

 どちらが公正な数字はじき出すとお感じになりますか。
こんな作為的とさえ思えるほどに加工を加えた数字を示すことで、
なんとか、病腎移植がまともな治療ではないことを日本全国に流布したいと思っているようにさえ感じます。

日本では推定で年間1万件の腎摘出が行われてると言います。
そのうち2割は、移植に使えるだろうと言われています。
もし、この「病腎移植」というアイデアが、日本の腎移植に活かされるようになると、
5年間で病腎をあげた人が1万人、もらった人が1万人、合わせて2万人の人が、
それについて語るようになります。これが死体腎移植との大きな違いです。死者は語りません。

また、死体腎をもらったという話は、今の日本では広言できないでしょう。
しかし、病腎なら誰かが死ぬのを前提にした話でもなく、誰か健康な人を傷つけた話ではないわけです。
不要なものをもらって、リサイクルした話ですから、あげた患者ももらった人も、
堂々とその話を口にできるのではないでしょうか?
これは、歩く広告塔が2万人も出現することにもなります。
そうなったら、貴方の身近にもそういう人がいるようになり、
「臓器移植」というものについて実地の体験談を耳にすることができるようになります。
その時になって、はじめて大部分の人は、
これまで反発していた臓器移植というものに対する感情的が変わるのです。
死体からの臓器移植を増やすには、まず何よりも国民感情が変わらないとダメなのです。
「病腎移植」は、この国民感情を変える上でも、大きな効果が予想されます。
(広島大学名誉教授 難波 紘二氏)


7.いわゆる、インフォームド・コンセントの話。

ドナー(腎臓を摘出された側)・レシピエント(腎臓の移植を受けた側)への説明は不十分で、
同意のない医療行為だったのか?

万波医師は病腎移植にあたって倫理審査を行わず、カルテの記録もずさんで、
患者やドナーへのインフォームド・コンセント(説明と同意)の手続きを文書化していなかったと
批判する人が居ます。
しかし、そういう文書がないからといって、患者への説明が無く、
患者さんの同意が無かったということにはなるのでしょうか。
はなはだ疑問です。
説明がなかったとか、同意しなかったという患者さんを一部興味本位のマスコミが捜し回ったはずですのに、
ほとんど全くと言っていいほど、そういう批判をなさる患者さんやその家族は存在いたしません。
一部、良くマスコミに出てこられる方がいらっしゃいますが、
成人をして、奥さんのいる患者さんに対して、その説明をその親にまで必要だと言うのなら、
多くの医療機関が、説明と同意が不十分であったと非難されるのではないでしょうか?
それは医師と患者の関係と言うよりも、親子の問題ではないでしょうか?
そもそも、インフォームドコンセントとは、
医療機関・医師側が、後々患者さんとの係争の際に不利にならぬよう、
言質をとったという扱いをするものであることは一般に知られていることです。
また、手術(腎臓摘出や腎臓移植)を承諾する患者の署名入りの書面はすべての症例でそろっており、
手術を承諾する書面があるのであれば、手続き上は全く問題ないと考える医療関係者は多いようです。

事実、米国移植外科学会元会長でフロリダ大学教授のリチャード・ハワード氏によると、
「有名なメイヨークリニックをはじめ、同意書に患者さんのサインを求めない病院は少なくありません。
つまり病院ごとに方針が異なり、治療方法の多くは医師の裁量にゆだねられています」
とのことです。

8.4つの学会の病腎移植に対する声明について

宇和島徳洲会病院の調査委員会が病腎移植症例の検証のため関係各学会などに派遣を受けた専門委員会の中身について
専門委員会のメンバーである、
日本病理学会理事の堤寛 藤田保健衛生大学医学部教授によると、
移植への理解を求める会の林氏に宛てた書簡の中で、
 病腎移植を受けた患者の多くが、親族からの生体腎移植を受けた後に病気を再発し、
 しかも通常移植より高齢で、病腎以外にドナー(臓器提供者)を得られない身だったこと。
 都会の医療を受けられる経済状態ではなく、透析生活のつらさに耐えられず、
 移植を強く望んでいたこと。
 患者たちの生存率が、年齢や健康状態のわりには死体腎、生体腎に劣らないこと。
 それらの事実に心を動かされ、
 「患者さんの経済状態を考慮し、最小限の検査で診療したことも痛いほど分かりました」
と述べたといいます。
しかし、委員会の場でその主張は無視され、
「病腎移植の全ての症例を全会一致で否定した」と虚偽の報告がなされたのです。

9.治療法を選ぶのは患者

 最後に、病腎移植を受けた、岡山の林弁護士の言葉を引用して終わりと致します。

「『あなたは透析しか受けてはいけない』ということを、医者や学会が言えるのか。
 それはあくまで、生きるという権利を持った、患者自身が決めることではないか」
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[C9] ネフローゼ腎移植の問題と、B型肝炎の感染力について

こんにちは。私は内科医ですが、修復腎移植の選択肢はあってもいいと考えています。しかし一方で万波医師の行った移植についてはかなり問題があったと考えております。二点ほど質問よろしいでしょうか。


>今回問題になっている患者さんに対しては、治療に当たっていた腎臓内科医から腎臓摘出
>以外に治療法なしと診断が下されています

とありますが、事実でしょうか。ご存じのように、日本腎臓学会は「腎移植当時においても医学的に妥当とは判断できない」と見解を述べています。また、万波医師の勤務する病院にはネフローゼの専門家がいなかったと報道されていますが、その報道は誤りで、「治療に当たっていた腎臓内科医」が実際には存在したということなのでしょうか。


>現在、市立宇和島病院の市川院長も血清学的にはHBE抗原(-)、
>HBE抗体(+)で、殆ど感染の可能性が少ない状態であった事を厚労省に報告する予定と言われています。

「殆ど感染の可能性が少ない状態であった」ことを示す文献などありますか?HBe抗体陽性であってもHBs抗原陽性であれば感染力があります。B型肝炎ウイルスの感染力は強く、針刺し事故などから推測される感染力はHBe抗体陽性であってもHIVやC型肝炎ウイルスより強いのです。「殆ど感染の可能性がない」という見解は医学的には明確に誤りです。

ネフローゼ腎移植の問題と、B型肝炎の感染力については、以前、私のブログに書いたことがあります。文献等は以下を参照してください。


万波医師は不必要な臓器摘出を行ったか?
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20080616#p1

HBe抗体陽性例の感染力
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20070628#p1


海外の文献などをみるに、小径腎細胞がんからの修復腎移植は可能であろうと私は考えています。万波移植については是々非々で、それはとは別に修復腎移植の推進を検討するべきではないかと考えます。

[C10] No title

当方、医療関係の十分な知識は、持ち合わせておりませんので、
貴兄からのご質問に答えるだけの文章を作れません。
修復腎移植が問題になった以降、いろいろな論争があったことを承知しておりますし、
なかには、患者や支援者(医師でない一般人に)対して、激しく攻撃する人々がいたことも承知しています。
この件については、学会あるいは研究者間で論争をして頂ければと思う次第。

私が間に入り、関係者からの伝聞で議論をしても始まりませんので、
裁判と専門家の学術論での争いの結果を待ちたいと思っています。
コメントありがとうございました。
  • 2012-06-01 10:38
  • たけだもとすけ
  • URL
  • 編集

[C11] No title

お返事ありがとうございました。医学的な部分はともかくとして、

>今回問題になっている患者さんに対しては、治療に当たっていた腎臓内科医から腎臓摘出
>以外に治療法なしと診断が下されています

という部分について、「治療に当たっていた腎臓内科医」の存在については、医療関係の十分な知識がなくても答えられると思います。武田さんは、どなたから「治療に当たっていた腎臓内科医から腎臓摘出以外に治療法なしと診断が下されて」いることをお聞きになったのでしょうか?

ネフローゼ腎移植の問題やB型肝炎の感染力については、万波医師の落ち度があまりにも明確ですので、「専門家の学術論での争い」は起きないと思います。その他の点では専門家の間での議論は注意深く見守っていくつもりです。

[C12] No title

ご理解ありがとうございます。
当時、同病院に勤務していた医師から直接聞きました。
肝炎ウイルスの件も、別の医師の見解です。
私の見解ではありません。
どちらも、現在係争中の事案に関わりますので、詳細のお答えができず申し訳なく思います。
  • 2012-06-01 13:14
  • たけだもとすけ
  • URL
  • 編集

[C13] No title

お答えありがとうございました。「医師から直接聞いた」とは言え、その医師の名前も何も公表できないのですね。治療に当たっていた腎臓内科医が実在したとして、万波医師が会見などで

「私がいる病院にはネフローゼの専門家がおらず、問い合わせできなかった。私自身、ネフローゼの治療をかなりやってきたが、タンパク尿が大量に出るときの基本的治療法は、どんなタイプでも同じと思っていた」

と答えた理由を知りたいところですね。それともこの会見は捏造されたものでしょうか。このようなあからさまな捏造があったら、新聞社に抗議するべきです。さらに言うなら、病腎移植に好意的な徳洲会による調査委員会ですら

「万波医師もできる限り、腎臓内科の専門医に問い合わせるなどして、他の治療方法も検討すべきだった」

という意見が出された理由も知りたいところですね。徳洲会グループのサイトにも載っています。ハッキングでもされて内容を書きかえられたのでしょうか。


ぶっちゃけたことを言います。武田さんの患者さんを助けたいと願う気持ちはまったく疑っていません。しかし、その気持ちが利用されていませんか?もし私が修復腎移植を推進したいのであれば、万波医師による疑いのある移植についてはきちんと批判します。「HBs抗原陽性ドナーからの移植も、ネフローゼ症候群からの両腎摘出も、どちらも不適切であった。しかし、それはそれとして、小径腎細胞がんからの移植については将来有望である」と。

私は肝臓内科医ですから、まず第一に肝臓病の患者さんのことを考えます。知識不足から患者さんを肝炎のリスクにさらすような医療者を許せません。HBs抗原陽性ドナーから「殆ど感染の可能性がない」として移植するような医師を容認できません。他の肝臓内科医も容認しないでしょう。

まあ修復腎移植の推進に肝臓内科医の協力は不要かもしれませんが、腎臓内科医の協力は不可欠であろうと思います。「タンパク尿が大量に出るときの基本的治療法は、どんなタイプでも同じと思っていた」などと発言してネフローゼ症候群患者から両腎摘出するような医師を容認する腎臓内科医はそうはいないと思います。万波移植の非は非として認め、あらためて修復腎移植の推進を行うなら、肝臓内科医や腎臓内科医からの協力も得られやすくなり、結果的に患者さんのためになるだろうと思います。

にも関わらず、「日本の宝である万波先生やグループの先生方の支援のために」をあえて持ち出す理由は何でしょうか。いったいこれで誰が得するのでしょうか。患者さんは得しません。でも、「別に他の医師の協力を得られず修復腎移植の推進が遅れようが、自分のところの施設を防衛できればそれでよろしい」と考えている人は得するでしょうね。

そういう人が公的に「治療に当たっていた腎臓内科医から腎臓摘出以外に治療法なしと診断が下されている」と述べると、根拠(その腎臓内科医の名前は?具体的にどのような治療を行ったのか?組織検査はやったのか?)を要求されて嘘がばれてしまいます。でも、患者さんを助けたいと願う善意の協力者にそっとニセ情報をリークするぐらいならなかなか嘘はばれません。今行われている修復腎移植訴訟も私には意味がわかりません。この訴訟でどちらが勝っても患者は得しません。

ぜひとも、患者さんの得になるにはどうすればいいのかを、あらためてお考えくださることを望みます。

[C14] ご返事遅くなりました

早速にありがとうございます。
市井にあるとは言え、研究者の端くれとして、
同様の問題意識は持っているつもりでおります。
しかしながら、ここでは伏せるのが妥当でありましょう。
一部に、政治的圧力をかけ、証拠の隠滅や証人の証言を封じる動きがあるからです。
そして、こちらの病院から大学に戻られた先生の中には、良心よりも組織の理論に忠実にならざるを得ない方がいらっしゃるからです。

また、先生のような冷静な判断に依らず、事実を曲げてでも修復腎移植そのものまでを否定する勢力があるのはご存じの通りであります。
もちろん、地域民として、宇和島市立病院と宇和島徳州会病院を不適切な処分から守りたい気持ちはございます。そして、万波医師からメスを奪うことも適切な処分とは思っておりません。

ましてや、ドナー不足を解決するための選択肢の一つとして、十分な可能性を持つと思われる、修復腎移植の道を誤った情報でもって、閉ざし続けることは在ってはならないことと思います。
命や健康への選択は、最後は個人にゆだねられるべきで在り、患者さんの選択肢を狭めるのが医療ではないはずです。もっと言えば、医学というのは、わずかな臨みにでもかけたいという、患者さんと医療スタッフの協同した戦いの中に存るはずです。

修復腎移植否定の生命に関係した学会の幹部の中に、そういう意識に欠ける方が居られ、何が何でも認めない。データをねつ造してでも、修復腎移植の予後不良との情報をマスコミに流す輩に、学問を語る資格はないと思っています。

以前から存じ上げていたNATROMさんが、どのような方かと身構えたところもありましたが、頂いたコメントを拝見し、限られた情報の中で、お互いが判断をし、よりよい医療環境が出来るようにという思いには共通するものを感じます。また、私自身は、報道が極めて偏ったものであることを知ったのも臓器売買事件に端を発した、病腎移植報道でした。
メディアも、為政者もまた、どこか狂っています。原発事故報道・対応もそうでありました。今回のNATROMさんとのやりとりで、個人の良心に基づくところでのみ、正義とそれによる幸福の実現が可能である、そんな世の中に日本がなってしまっているのではないかと思った次第です。ありがとうございました。
  • 2012-06-05 23:07
  • たけだもとすけ
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神戸の震災の支援に行き身体の動かない自分に気づきました。
それからジョギングやスイミングを始め、14㎏の減量。
一応、トライアスリートです。冬場は、駅伝も走ります。
JC時代から、地域づくりに関わり、公開討論会を開くなどしました。そんな私が、2009年夏、公開討論会の当事者になってしまいました。
その後、0からのスタートとして、市議会議員に当選して活動を続けています。

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